sho iwanaga Architect & Associates
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世界遺産に登録されている宗像大社(辺津宮)の祈願殿新築工事である。
日本でも類を見ない、神籬(ひもろぎ)が中庭に配されている特徴的な祈願殿だ。設計・施工者の選定はコンペ形式※によって行われた。

願いはただひとつだった。「この由緒ある場所にふさわしい何十年後も愛される祈願殿をつくりたい」。

そのために境内の実測を徹底的に行い、現況図をおこし、150分の1の敷地・建物模型を作成した。模型は1.5メートル四方ほどの大きさにまでなった。完成した模型を眺めながら、本殿、拝殿をはじめ境内の建物の美しさに改めて魅了された。

そして私ができることは既存の建物に恥じない「美しい屋根をかけること」ただその一点だけだと確信した。

審査の結果、幸運にも設計の機会を頂いた。

歴史的な土地であるがゆえ、大いなる力が働き、荒波に揉まれ、設計は紆余曲折を経た。しかし、その力に翻弄されそうになりながらも、この建物に込めた思いは流されることはなかった。大いなる力を受け入れ、感謝することで、前進する力へと変えていった。

ふと気づくと新たなる場所へ到着していることに気づいた。そして、このプロジェクトに関わった全ての方々の思いが凝縮された力強い屋根が出来上がった。

宗像大社が未来永劫、繁栄していくことを心から願っている。

そして、この祈願殿が何十年、願わくば百年という時を過ごし、人々に愛されることを願ってやまない。

※設計・施工者を複数募り、案を出し合い選定する方式

Outline

構造
Steel
場所
福岡県宗像市
床面積
1789.08
敷地面積
3283.59
工事種別
新築
規模
地上2階建
竣工
2021.05

Credit

設計:
SECOND DESIGN 一級建築士事務所
施工:
溝江建設株式会社
構造:
十五設計株式会社
設備:
株式会社九電工
照明:
株式会社モデュレックス
家具:
株式会社カッシーナ・イクスシー
写真:
イクマサトシ(TechniStaff)